水のコラム
ウォシュレットの水漏れが起きたらどうする?原因も解説

目次
ウォシュレットから水が漏れている場合の応急処置
ウォシュレットから水が漏れている際には、感電や発火といった二次的なトラブルを防ぐためにも、応急処置を行うことが大切です。
具体的には、以下のような方法があります。
ウォシュレットの水漏れの応急処置
- 止水栓を閉める
- 電源プラグを抜く
- 水漏れが原因で濡れている箇所を拭く
- 便器の周囲に乾いた雑巾や新聞紙を敷く
止水栓を閉める
ウォシュレットの水漏れに気づいたら、被害の拡大を防ぐために、まずは止水栓を閉めることが重要です。
止水栓とは水の供給を止めるためのバルブで、便器付近の床や壁に設置されています。
設置場所は、トイレの種類や建物の構造によって異なりますが、ウォシュレットから伸びている給水ホースを辿れば見つけられるはずです。
もし止水栓を見つけられないときは、水道の元栓を閉めてください。
また止水栓には、マイナスドライバーを使用して開閉する“外ネジタイプ・内ネジタイプ”と、蛇口のようなハンドルを回して開閉する“ハンドルタイプ”の3種類があります。
いずれの場合も、“時計回り”に回せば閉められます。
電源プラグを抜く
水漏れが起きている際には、感電や漏電、発火などのトラブルにつながる可能性があるため、電源プラグは必ず抜きましょう。
なかでも、感電は電源プラグを抜く際に起こりえるので、コンセント周辺や手が濡れていないことを確認してから作業を行ってください。
水に濡れている場合は拭き取ったうえで、可能であればゴム手袋を着用すると安心です。
またウォシュレットから漏れている水がかからないよう、抜いた電源プラグの先端はビニール袋に入れておきましょう。
水漏れが原因で濡れている箇所を拭く
ウォシュレットの水漏れにより、濡れている箇所がある場合は、できる限り早く拭き取ってください。
特に床は、濡れた状態で放置すると「床材が腐食する」「カビが発生する」など、さらなるトラブルが起こるおそれがあります。
集合住宅にお住まいの場合は、自宅の床だけではなく、階下の天井にも影響を与えかねません。
修理費や損害賠償金を請求されたり、信頼関係が悪化したりと、住人トラブルの火種となりえるため、放置せずに水を拭き取ることが大切です。
便器の周囲に乾いた雑巾や新聞紙を敷く
止水栓を閉めてもウォシュレットから水が漏れ、再び床が濡れてしまう可能性もあります。
そのため、便器周辺の床に乾いた雑巾や新聞紙、ペット用の吸水シートなどを敷き、水漏れの発生に備えておきましょう。
ウォシュレットの水漏れが発生する原因
応急処置を行ったとしても、原因に合わせて対処しなければ、水漏れを根本的に改善することはできません。
では、ウォシュレットから水が漏れる原因には、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
以下で、主な原因を5つお伝えします。
ウォシュレットから水が漏れる原因
- 内部の弁やバルブユニットの不具合
- 水抜き栓のひび割れやO型リングの老朽化
- 接続部分の緩みやパッキンの老朽化
- フィルターの目づまり
- ウォシュレットの設置不良
内部の弁やバルブユニットの不具合
ノズル箇所からの水漏れや水が出続けるという症状は、水流をマネージメントする弁や水量・水圧をコントロールするバルブユニットの不具合が想定されます。バルブユニットが壊れていると、ノズルが出ていなくても便座の裏側から水が漏れ続ける場合もあります。
水抜き栓のひび割れやO型リングの老朽化
ウォシュレットの機種によっては、凍りつきを避けるために水抜き栓が設置されています。便座の脇側や水槽の下部分からの水漏れは、この部分に原因があることも。
接続部分の緩みやパッキンの老朽化
ウォシュレットの横側からポタリポタリと水漏れしているとき、ウォシュレット自体と給水ホース箇所の接続点、配管の接続部分がゆるんでいるケースがあります。または10年以上使っていると、接続部分の内側パッキンが経年による老朽化や傷んでいることも考えられます。
フィルターの目づまり
ウォシュレット本体には、水道水から出されるゴミ汚れや砂を除去するフィルターが内蔵されています。この部分がつまるとノズル部分からの出水が鈍くなり、悪化するとフィルター箇所から水漏れします。
ウォシュレットの設置不良
ウォシュレット本体と便器の結合部分にすき間が生じていたり、座ったときにぐらついていたりと、なんらかの設置不良が起きている場合も水が漏れるおそれがあります。
特に「ウォシュレットを新しく交換したばかりなのに、水漏れが起きている」というときには、設置の不具合が原因と考えられます。
このような場合はウォシュレットを取り外し、適切に設置すれば改善が見込めるため、設置業者に相談し、状況を確認してもらいましょう。
【原因別】ウォシュレットの水漏れを対処する方法
ここからは、原因別にウォシュレットの水漏れを対処する方法を解説していきます。
ウォシュレットから水が漏れる原因
- ノズル
- 給水ホース
- 温水用タンク
- 水抜き栓
- フィルター
- 操作パネル
ノズル
ノズル部分から水が漏れている場合は、交換、もしくは掃除をして解消しましょう。
交換が必要になるのは、ノズルの内部にある弁やバルブユニットが劣化・破損しているケースです。
シャワー状の洗浄水が出なかったり、使用後にノズルが戻らなくなったりと、「ウォシュレットがうまく機能していない」と感じる場合は、劣化・破損が考えられます。
弁やバルブユニットは単体で修理できることもありますが、一般的には、性能維持や安全性の観点からノズル本体の交換が必要となります。
ノズルを交換する際は、感電や漏電、発火などのリスクを回避するためにも、各メーカーや水道修理業者に依頼してください。
一方、「ノズルの先端からポタポタと水が垂れつづける」という症状が見られる場合は、掃除が効果的です。
ノズルは構造上、汚れが蓄積しやすく、定期的に掃除をしないとつまって水漏れが発生してしまいます。
付着した汚れは、軽く濡らした布で優しく拭き取れば除去できます。
給水ホース
ウォシュレットにつながる給水ホースの水漏れを改善するには、以下の3つの方法が有効です。
給水ホースの水漏れの対処法
- ナットを締める
- O型リングやパッキンを交換する
- 給水ホースを交換する
給水ホースの接続部分はナットで固定されており、これが緩むとすき間から水が漏れます。
こうしたケースでは、モンキーレンチやスパナを使用してナットを“時計回り”に回し、接続部分を密着させましょう。
ナットを締め直しても水が漏れている場合は、O型リングやパッキンを交換することで改善が見込めます。
O型リングやパッキンはナットの内側にあるゴム製の部品で、接続部分のすき間を密閉する役割を果たします。
しかし、長いあいだ使用しているとゴムの硬化や変形が起こり、結果として水漏れが発生するのです。
交換にあたっては、使用しているものと同じサイズの部品を選んでください。
そのほか接続部分に問題がなくとも、給水ホースが劣化・損傷しており、水漏れが起きているケースも考えられます。
この場合は給水ホースの交換が必要です。
交換作業はご自身でも行えますが、少しでも不安を感じるのであれば、水道修理業者に依頼することをおすすめします。
温水用タンク
温水用タンクとは、その名の通り温水を貯めておくためのタンクです。
長年の使用によってタンクの内部にある部品が劣化・破損すると、ウォシュレットの横側から水が漏れる場合があります。
こうしたケースでは、劣化・破損している部品を交換しましょう。
温水用タンクの中にはヒーターや電子部品が内蔵されており、水がかかると感電のリスクが高まります。
交換作業時には危険が伴ううえ、電気系統の修理に関する専門知識が必要となるため、ご自身では作業せず、水道修理業者に依頼してください。
水抜き栓
ウォシュレットの水抜き栓から水が漏れている際には、まず止水栓を閉め、電源プラグを抜きましょう。
その後、水漏れが起きた原因に合わせて対処していきます。
具体的な原因には、“緩み”と“劣化・破損”の2つが挙げられます。
便座に座る際の衝撃で水抜き栓が緩み、水漏れが起こることも珍しくありません。
このケースでは、マイナスドライバーを使用して締め直せば解消できます。
水抜き栓をしっかりと締めても水が漏れる場合は、パッキンの劣化やひび割れ、破損が考えられます。
劣化・破損が起きている際には、以下の手順を参考に新しい水抜き栓に交換してみてください。
なお、ここでは止水栓を閉め、電源プラグを抜いた状態で作業することを前提にお伝えします。
水抜き栓を交換する流れ
- 水抜き栓の下にバケツを置く
- マイナスドライバーで水抜き栓を外す
- 新しい水抜き栓を取り付ける
水抜き栓を外す際は“反時計回り”に、新しいものを取り付ける際は“時計回り”に回すことを押さえておきましょう。
いずれの作業も比較的簡単に進められますが、慣れていない方や心配な方はプロに依頼すると安心です。
フィルター
ウォシュレット本体に内蔵されているフィルターが汚れている場合は、取り外して掃除をしてみてください。
つまっている汚れを除去すると水がスムーズに流れ、弁やパッキンが正常に機能するようになります。
フィルターを取り外す際は、以下の手順で進めます。
フィルターを取り外す流れ
- 水が床にこぼれないよう、バケツや受け皿を用意する
- 電源プラグを抜き、止水栓を閉める
- フィルターの蓋を、反時計回りに回して外す
取り外したフィルターは、歯ブラシでこすりながら洗いましょう。
ただし、フィルターが非常に汚れているのであれば、新しいものに交換するのも一案です。
操作パネル
ウォシュレットのなかには、ウォシュレット本体の側面に、操作パネルが設置されているタイプもあります。
ウォシュレット本体の内部にある部品が故障していると、この操作パネルから水が漏れるケースも珍しくありません。
操作パネルの水漏れはご自身での対応が難しいため、水道修理業者に依頼してください。
電子部品が濡れてしまうと、感電をはじめ二次的なトラブルが起こる可能性があるので、水漏れに気づいたら必ず電源プラグを抜き、先端をビニール袋に入れておきましょう。
ウォシュレットの水漏れを放置するリスク
ウォシュレットの水漏れは、「ポタポタ」「チョロチョロ」と少量の水が流れるケースが多く、「問題ないだろう」と感じてしまいがちです。
しかし、一見、問題がなさそうに見えるウォシュレットの水漏れでも放置は禁物です。
水が漏れている状態では、床材の腐食やカビの発生、部品の劣化など、さまざまなリスクが高まります。
電子部品が水に濡れると感電や漏電、発火といった大きなトラブルが起こるおそれもあります。
また、水漏れを放置すると金銭的な負担を招きかねません。
床材の腐食が進み、大規模な修繕が必要になるかもしれませんし、集合住宅では階下にまで被害が拡大し、損害賠償金を請求されることもありえます。
たとえ少量であったとしても水が継続的に流れていれば、水道代も上がってしまいます。
このようにウォシュレットの水漏れを放置すると、“衛生面・安全面・金銭面”でのトラブルに発展する可能性があるため、発見時すぐの対応が肝心です。
ウォシュレットの修理を水道修理業者に依頼するべきケース
ウォシュレットの水漏れを対処する方法のなかには、ナットの固定やノズルの掃除のように、ご自身でも行いやすいものもあります。
しかし無理に直そうとすると、状況が悪化するかもしれません。
そのため、水道修理業者への依頼が推奨されますが「どのようなときに頼めばよいのだろう」と、判断に迷う方もいるのではないでしょうか。
その疑問にお答えすべく、以下ではウォシュレットから水が漏れた際、水道修理業者に依頼したほうがよいケースを4つお伝えします。
水道修理業者に依頼すべきケース
- 水が漏れる原因の特定が不可能である
- ご自身での修理に不安がある
- ウォシュレットが寿命を迎えている
- 電気系統が故障している
水が漏れる原因の特定が不可能である
「ウォシュレットから水が漏れているものの、どの部分にトラブルがあるのかがわからない……」と、ご自身では水漏れの原因を特定できないケースもあるでしょう。
このような場合は、水道修理業者に相談してみてください。
水が漏れている箇所を探しているうちに被害が拡大するおそれがありますし、原因不明のまま修理すると大きなトラブルに発展する可能性もあり、非常に危険です。
水道修理業者に依頼すれば、原因の特定から修理まで、迅速に対応してもらえます。
ご自身での修理に不安がある
工具の扱いに慣れていない場合やトイレの構造に詳しくない場合は、ご自身で水漏れを修理することに不安を感じるものです。
「放置して被害が拡大した」「無理に修理をして状況が悪化した」といったリスクを回避するため、少しでも不安を感じたら水道修理業者に依頼しましょう。
ウォシュレットが寿命を迎えている
ウォシュレットを長期間使用すると、寿命を迎えて水漏れが発生することがあります。
寿命によって不具合が生じている場合は、修理ではなく交換をしなければならないため、水道修理業者に依頼してください。
ウォシュレットの寿命は7~10年が目安となり、使用期間が長くなればなるほど水漏れをはじめ、トラブルが起こるリスクは高まります。
また同じ型番の製品が製造終了となり、トイレ本体の交換が必要となるケースも想定されます。
そのため、長く使用したウォシュレットの水漏れの修理は水道修理業者に依頼し、状況に応じて対処してもらうことが重要です。
電気系統が故障している
水漏れとともに、「便座が異常に熱くなる」「電気は通っているのにボタンが反応しない」といった不具合が起きている場合も水道修理業者に依頼してください。
電気系統が故障している可能性があり、ご自身での修理、また放置は危険を伴うためです。
早めに水道修理業者に相談すれば、二次的なトラブルを未然に防げます。
水漏れするウォシュレットの修理と費用
ウォシュレット不具合をきっかけにトイレを取り替えるとき、総額でいくらかかるのか心配になりますよね。ウォシュレットと便器・水槽セットを全交換するときにかかる料金の項目は、おおむね以下の通りです。
・本体価格10万円~:便器・タンクセットに加えてウォシュレット、便器・タンク・温水洗浄便座一体式、タンクなし便座一体式便器
・取り付け工事費用
・古い便器などの廃棄費用
・必要に応じてその他の付随工事材料費用・工事費用(床材の張り替え、タオルかけの取り付け)
以上、全ての費用を含めると、10万~15万円はかかると考えておきましょう。本体価格や材料費・工事費は、トイレのグレードや工事内容により金額に差が出てきます。
→料金一覧の「温水洗浄便座(ウォシュレット)故障の料金表」をご確認ください。
ウォシュレットの水漏れの修理ならくまもと水道職人へ
この記事ではウォシュレットを使うと水漏れになるときの原因とその対処法について解説してきました。大変便利なウォシュレットですが、とても複雑な構造を持っており、扱い方を間違うと故障を招きかねません。
まずは、水漏れがどのような原因なのか、よくチェックすることが重要です。しかし、トイレの器材なのかウォシュレット内部の問題なのか、一目では判断が困難なケースもありますし、それによって対応も変わってきます。
どの部分から漏れているのか判断できないとき、ウォシュレット自体から水漏れしていることを確認できたときでも、個人で修理作業するのは困難なので、水道修理業者に依頼しましょう。
監修者

主任
平野 勝
《略歴》
2017年株式会社N-Visino入社後、弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行。
水回りの小さなトラブルから建物全体のメンテナンス、リフォームに至るまで、水に関わるあらゆるお悩みをお客様の目線に立ち、お客様とともに解決してまいりました。
年間約600件の現場へ実際に立ち会い、培った水のプロフェッショナルとしての経験を活かし、当コラムでは水にまつわる幅広い知識を届けたいと考えています。
熊本のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「くまもと水道職人(熊本水道職人)」
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