水のコラム
床下の水漏れは危険なの?その原因と対応策を解説
日々水を用いる水道設備では、設備自体の老朽化だけではなく、床下で水漏れが生じてしまう場合があります。日常は見えないところなので、水漏れを発見しにくく気付いてもついそのままにしてしまいがちです。
ただしそのままにすると、カビや菌が増殖したり、害虫がわいてしまったりと大きな問題に発展する場合があります。床下の水漏れ原因や対応策についてくわしくご紹介します。
床下の水漏れ原因
日々生活している自宅で、床下を見る機会は多くありませんよね。そのため床下で水漏れが発生していても気づかない場合もあるでしょう。しかし床下の水漏れをそのままにしていると、更に老朽化や問題に発展しかねないので、なるべくすぐに対処したいものです。
「近頃水道代金が上がった気がする」「水道設備付近の床がボコリボコリしてきた」といった異変があるとき、もしかすると床下で水漏れが生じているかもしれません。
くわえて、床下で水漏れが生じると、これまで家で聞いたことがないような騒音が聞こえてくる場合もあります。ここからは、よくある水漏れ原因について解説します。
給排水設備付近からの水漏れ
床下で水漏れが生じたとき、まず考えられるのが給排水管の不具合です。給排水菅が老朽化して、接合部分から水漏れが生じたり、反対に新築時に接合部分が曖昧で水漏れが発生したり、最悪配管をつなぎ損ねていた、といったこともあり得ます。
調理や風呂、お手洗いなど日々の生活で水道は必須です。給排水菅は毎日多量の水やお湯を流しているので、どうしても劣化の速度が早いです。パッキンの傷みやナット部分のゆるみによって、水漏れが生じる場合もあります。
雨水の浸水
給排水設備の不具合以外に想定される原因として、雨水の侵入が考えられます。配管内には基礎部分を貫いているものがありますが、その配管箇所の周辺から雨水が入り込んでしまう場合があります。
本来配管の周辺にはシーリング材を施工して埋めてしまいますが、シーリング工事が雑だったり、埋め忘れがあったりすると床下まで雨水が侵入してしまう要因になります。
また大雨や台風のとき、土地内の排水が追いつかずに雨水がたまった状態になっていると、水漏れが生じやすいので注意してください。
新築時の雨水の残留
新築施工中に降った雨が床下に残留したままになっていて、排水されずにそのままにされていた可能性もあり得ます。また地下から出る湧き水により、床下に水が溜まることもあるでしょう。
給排水菅や基礎周辺に原因がなさそうなときは、新築当時の雨水の残留や地下水の可能性も考慮してみるようにしましょう。
床下の水漏れで発生すること
床下で水漏れが生じたとき、それだけでもかなり大変な状態なのですが、そのままにすると二次被害として、どういうことが発生するのでしょうか。
結露やカビ菌の発生
床下で水漏れが生じると、床下の湿度が高くいつも湿気のある状態になるでしょう。そうすると結露やカビの発生源になってしまいます。
床下の湿度が高くなると床上の湿度にも影響を及ぼすので、窓で結露が生じたり壁紙が剥がれたりと、日常生活にも影響が出てくる可能性もあるでしょう。
窓ガラスがいつも濡れていたり、カビ臭いとき、床上のトラブルではなく、床下で水漏れが発生しているかもしれません。
害虫の危険性
床下部の湿気は、結露やカビ類だけではなく、シロアリやムカデのような害虫侵入の危険性にも関連してきます。とりわけシロアリは湿気のある木材が好きなので、知らぬ間に、シロアリが大量発生している場合も想像できます。
構造体の腐り
シロアリが湧いてくると、住宅の構造に使用されている木材に、わずかな衝撃が加わるだけで、欠落するような状態になることがあります。家の構造体の腐りや耐久性の落ち、最悪のケースでは、倒壊する事態に発展することも念頭に入れておきましょう。
床下の水漏れの対応策
床下で水漏れが生じると、水道代金が高くなったり床がボコリボコリとしたり、異音が聞こえたり、といった症状が出てくることを先述しました。
床の凸凹や異音に気付いたとき、おおよその箇所が特定できるので、その旨を専門業者に説明して、早急に対処してもらうように手配しましょう。
専門業者にメンテナンスで訪問してもらったとき、話を聞いたのみで「原因はここだ」と憶測で判断するような業者には、注意が必要です。
床下の水漏れは確実に原因を特定しないと、適正な対処ができません。よって、現場で床下に潜ったり給排水設備の確認をしたりと、念入りに原因特定をしてくれるような専門業者を選ぶと安心でしょう。
また水漏れは原因が必ずしも一つだけとは限らないです。したがって、水漏れ修理を実施した数ヶ月後に再点検するとより安心です。
・排水管からの水漏れで床下に水漏れした場合の対処方法
排水管から水漏れが生じて、床下に漏水してしまった場合は、二次被害を防止するためにも、自分でできるかぎり処置をしておくことがおすすめです。
では、排水管からの水漏れで、床下に漏水した場合の対処方法を解説します。床に水が溢れ出てきている場合は、どの場所に原因があるのか特定すると、応急処置がスムーズになります。
床上の排水管から水漏れが生じている場合は、壊れていないかナット箇所がゆるんでいないかなど、本体をよくチェックしてみましょう。
水を流してみて流しや洗面ボウル、トイレの便器内に水が溜まってしまい流れないときは、つまりが生じていることが考えられます。
水音がするけれど床上には症状が現れていない場合は、床下の排水管の不具合が考えられるので、専門業者に修理依頼して工事してもらいましょう。
・排水管から水漏れしている場合の応急処置
排水管から水漏れしているときに、そのまま放置するとみるみる被害エリアが広まります。そのため、応急処置をしておくと安心です。
ここでは、排水管から水漏れしているときの応急処置方法をご紹介します。排水管水漏れの応急処置の方法は以下の通りです。
・自己融着テープで止める
・ポリバケツや洗面器で水を受けとる
排水管が壊れてしまっていて、壊れた箇所が特定できているときは自己融着テープなど、防水用素材のテープを巻くことで、水漏れをくい止められます。
他方でどこから水漏れしているのか不明で、防水用テープがいち早く用意できないときは、ポリバケツや桶、不要なタオルを使って床に水が垂れないように守っておくだけでも効果があります。
ただ以上の方法はあくまで応急処置なので、迅速にしっかりと修理することがおすすめです。
水漏れを予防するためにできること
水漏れの原因として最も多いのが、給排水設備周辺です。不具合や老朽化、施工の失敗など、給排水設備が要因の水漏れにも複数に分けられますが、予防対策としては排水管内にゴミが溜まらないように、清潔に維持することがあげられます。
水漏れの予防対策としてだけではなく、衛生面から考えてもこまめにゴミを除去して、清潔感を保つことはおすすめといえるでしょう。
水漏れが発生してしまうと、気付くのに時間を要することもあるので、給排水菅や基礎を貫く配管周辺などに異変を感じたときは、直ちに専門業者に調べてもらうようにしましょう。
何もなくても定期メンテナンスとして活用すれば、リスクヘッジになり深刻な状態になることを防止できます。
まとめ
この記事では、床下の水漏れについてその原因と対応策を解説してきました。床下の水漏れは普段意識することが難しいのでしょう。
もしも水漏れに気付いたときは、思い込みではなく確実に原因を特定したうえで、修理してくれる、誠実な専門業者を選ぶようにしましょう。
監修者
主任
平野 勝
《略歴》
2017年株式会社N-Visino入社後、弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行。
水回りの小さなトラブルから建物全体のメンテナンス、リフォームに至るまで、水に関わるあらゆるお悩みをお客様の目線に立ち、お客様とともに解決してまいりました。
年間約600件の現場へ実際に立ち会い、培った水のプロフェッショナルとしての経験を活かし、当コラムでは水にまつわる幅広い知識を届けたいと考えています。
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