真冬になったら要注意！水道管の凍結の予防法と対処法

12月から2月にかけては、冷え込むために積雪や道路の氷結に備える方は多いでしょう。
近年では平成28年1月に西日本を中心に記録的な大寒波が襲来したのは記憶に新しいのではないでしょうか。

しかし、その際に全国的に50万世帯以上で水道管が凍結したために、水道管が破裂し断水や漏水などの被害を受けたことはあまり知られていません。
そして、6割以上の世帯が復旧まで1週間以上の期間を要し、とても不便な生活を強いられました。

また、ご自分が不便になるだけでなくマンションやアパートなどの集合住宅では、水道管の破裂により、階下の世帯が漏水し家具や家電を破損させてしまう可能性が高く、多額の賠償責任が発生するケースも多く見られました。
トイレやお風呂やキッチンなど生活に不可欠な装置をすべて麻痺させてしまう凍結を防ぐ方法はあるのでしょうか。

なぜ凍結は起こるのか

水道管の凍結が起こる最も大きな要因は外気温です。
マイナス4℃以下になると凍結のリスクが高くなると言われています。

しかし、気温がマイナス4℃より暖かくとも、強風や残雪や日照の状況によって凍結が起こるケースも見られます。
また、水道管が外気に剥き出しであるか、カバーなどがつけられているか否かでも凍結が発生する確率は変わってくるのです。

そして、普段から凍結の対策がなされている寒冷地より、一般的に氷点下になりづらい地域で凍結はよく起こります。
真冬の深夜や早朝は冷え込むので、日中の天気予報の温度だけを参考にせず凍結の対策を怠らないことが大切です。

凍結の予防法とは？

凍結を予防する方法は大きく分けて2つあります。
一つ目は、水を出し続け、水道管に水が残留しないようにする方法です。
その中でも最もポピュラーなのは、晩中水を少量出し続ける防止法です。
常に鉛筆一本ほどの太さの水が出るようにしておくことで、水道管内の水の凍結を防ぎます。

その時節水を意識してポタポタという少量の水量で出していると、逆に凍結のリスクが高まってしまうので注意してください。

また、キッチンや給湯器には水抜き栓がついていることが多いので、真冬は寝る前に水抜きをして水道管の残留水を空にしておけば、凍結のリスクはぐっと低くなります。
出張や旅行や帰省などで長期間留守にする際は、トイレの水抜きも忘れないようにしましょう。
ただし、便器に溜まる封水を抜いてしまうと、下水からの悪臭や害虫が防げなくなるので、不凍液という凍結防止用の薬剤を投入することをおすすめします。

また、お風呂も間取り上裏側や北側に位置することが多く、気温が下がりづらいために凍結が起きやすい場所です。
他の箇所と同様に寝る前に蛇口から水を細く出し続けると良いでしょう。
ガス給湯器が屋外に設置されているご家庭では、夜間35℃前後の温度に設定して追い焚きを続けると、給湯器の凍結を防げます。

そして2つ目の方法は水道管本体の冷え込みを防ぐために保護する方法です。
ホームセンターに足を運べば、水道管の凍結防止用の保温テープや断熱材が多く陳列されています。
しかし、買いにいけない場合は水道管にご自宅のタオルを巻きつけ、発泡スチロールで覆うだけでも凍結防止の効果は十分にあります。
日中雨が降った際は水道管に付着した水滴を拭き取ると、水道管の温度低下の防止になります。

もし凍結してしまったら

もし凍結が防げなかった場合はどうすれば良いでしょうか。
最も安全で確実なのは、気温が上がり凍った水道管の中の水が自然解凍するのを待つ方法です。

しかし、ご家族がいらしたら炊事も洗濯もできず悠長に待つというのは現実的には難しいでしょう。
お急ぎの場合は、凍結した箇所をタオルや不要な布でぐるぐる巻きにして、やかんに入れた人肌程度の温度のぬるま湯をゆっくりとかけていきます。
この時、早く解凍したいからといって熱湯をかけないようにしましょう！
急速な温度変化で水道管や蛇口が破裂する恐れがあります。

また、コードレスのドライヤーで温風を当て、使い捨てカイロを当てる方法も効果があるとされています。
ご自分のライフスタイルに合った方法で、焦らずに対処しましょう。

また、もし凍結して水道管が破裂してしまっている場合は、まずは水道元栓を閉めて水漏れの被害の拡大を防ぎます。
そして、水道管の破裂している箇所にテープや布を巻きつけて応急処置を施してください。
水道メーターが正常に作動しており、水漏れ箇所が露出している水道管のみの場合は、水道修理業者に修理を依頼しましょう。

しかし、元栓を閉めても水が漏れている、または水道メーターが動作していないなどの症状が見られる場合は、水道局の対応になるために水道局に依頼してください。

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監修者

主任

平野 勝

《略歴》

2017年株式会社N-Visino入社後、弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行。
水回りの小さなトラブルから建物全体のメンテナンス、リフォームに至るまで、水に関わるあらゆるお悩みをお客様の目線に立ち、お客様とともに解決してまいりました。
年間約600件の現場へ実際に立ち会い、培った水のプロフェッショナルとしての経験を活かし、当コラムでは水にまつわる幅広い知識を届けたいと考えています。