水のコラム
スッポンがない!トイレが詰まった時の対処法3選
トイレの詰まりを直すのに便利なのがラバーカップ、通称スッポンです。
便利な道具ですが、自宅に常備していない方も多いのではないでしょうか。いざというとき、スッポンがなくてどうしたらいいか分からなくなったなんて声もあります。
そこで、スッポンがなくてもほかのものを使ってトラブルを改善できる方法をまとめました。もしものときは、こちらを参考に修理に挑戦してください。
目次
トイレ詰まりは自力で直せるものと直せないものがある
便器や配管の詰まりをはじめとしたトラブルは、原因により家庭でも直せる場合があります。トイレに本来流せるものが原因であれば、自分でも修理可能です。しかし、そうでない場合は業者の力を借りなくてはなりません。
本来流してはいけないもの、たとえばおむつなどの保水力があるもの・プラスチックや金属などの流すべきではないものなどを流してしまった場合は、家庭で修理不可能です。便器や配管を外して取り除かなくてはなりません。このような場合はすぐに業者を呼びましょう。
排せつ物やトイレットペーパー・水に流せる掃除シートなどが詰まった場合は、家庭でも改善できるときもあります。このような場合はまず自分で修理できるか挑戦してみましょう。
異物を流してないならまずは放置してみよう
詰まったとき、異物を流していないなら、しばらく放置すると正常に流せるケースがあります。排せつ物やトイレットペーパーは水に溶けるため、しばらくすると小さくなります。流せるサイズまで溶ければ、あとは通常通り流してしまえば解決です。詰まっているのが便器からでもわかるような状態であれば、しばらく放置してみましょう。
時間は大体30~1時間程度です。しばらくしたらレバーを引いて、きちんと流れるか確認します。流れたら修理は完了です。トラブルが発生すると焦ってしまいがちですが、詰まった原因が異物でない場合は、一度放置して流れるか確認しましょう。
スッポンなしでトイレ詰まりを解消する方法その1・ペットボトル
すぐに改善したい・放置しても変わらなかったなどの場合、スッポンを使うのが一般的です。しかし、ない場合は代用品を使います。ペットボトルは、その中でも簡単に用意できるものです。ペットボトルをスッポン替わりに使う方法を解説します。
ペットボトルの底を切り取る
まずは以下の道具を用意しましょう。
● 500mlペットボトル
● ハサミ
● ビニールシート
● ビニールまたはゴム手袋
● マイナスドライバー
● 給油用ポンプ
● バケツ
道具を用意したら、ペットボトルを切り取ります。底から3~4cmくらいの位置を取り除いてください。ふたは外した状態にしておきます。用意ができたら、下準備に入ります。
トイレを養生する
終わったら、便器とその周りをビニールシートで覆い、汚れないようにしてください。スッポンを使うと、詰まりが取れた瞬間に汚水が噴き出ることがあります。周りや自分を汚さないためにも、便器とその周辺をビニールシートで保護しましょう。
水の飛び散りを最小限にするために、便器の部分もビニールで養生します。真ん中にペットボトルを入れられる穴をあけておいてください。
トイレの止水栓を閉めて水量を調節する
養生が終わったら、止水栓を止めます。止水栓を閉めることで、思わぬ水漏れを防止できます。きちんと閉めましょう。閉めるとき、回した回数を覚えておくと、開けるときいつもと同じ状態に戻しやすくなります。
止水栓を閉めたら、便器の排水口に溜まっている水の量を調節します。水があふれそうなときはポンプを使って水を汲みだし、水がないならバケツで水を汲んで排水口内に足してください。終わったら次の工程に移ります。
飲み口が上を向くかたちでペットボトルを排水口にくっつける
水量の調節が終わったら、ペットボトルの飲み口が上を向くように排水口へ突っ込みましょう。ペットボトルを置くまで入れたら、手のひらなどで飲み口を完全にふさぎます。この後の作業で手に汚水がつく可能性があるため、手袋をはめるのを忘れないようにしてください。
ペットボトルをスッポンの要領で上下させる
ペットボトルをスッポンのように上下に動かします。この修理法は、ペットボトル内を真空状態にした上で、引き抜くときに詰まりを取る力が発生します。引くときに力を込めるのがポイントです。
何度か動かすと、詰まりが取れて水が流れます。正常に戻った合図を確認できたら、次の作業に移ります。
止水栓を開けて正常になったか確認する
詰まりが取れたら、止水栓を開けて正常に動くか確認しましょう。動かない場合は、再度栓を閉めて修理を再開します。トイレが正常に動くようになるまで繰り返してください。修理が終わったら後片付けをします。
道具の中には汚水や下水が付いたものがあります。すべて水洗いしてから天日干ししましょう。捨てるときはほかの家庭ごみとは袋を分けて、早めに捨てるようにしてください。
スッポンなしでトイレ詰まりを解消する方法その2・ラップ
スッポンなしで詰まりを解消できる道具は、ほかにもあります。その中でも、どの家庭にもあるのがラップです。次はラップを使った詰まりの取り方を解説します。この方法を使う際は、以下の道具をご用意ください。
● ラップ
● トイレ用掃除シート
ラップは大量に使います。できれば複数用意しておくと安心です。別に購入しておくのもよいでしょう。道具の準備ができたら、作業に移ります。
トイレのふたと便座を上げてふちをきれいにする
まずは、ふたと便座を上げておきましょう。このとき、水気やぬめりがあるなら掃除用シートで取り除きます。ラップが便器にぴったりくっつかないと効果が出ないので、すき間を生む原因になる汚れなどはしっかり取り除きましょう。
便器に隙間なくラップを巻きつける
準備ができたら、便器に隙間なくラップを巻きつけます。最低でも10周以上は巻きつけてください。ラップで便器を密閉するように巻きつけていきます。緩い部分があるとそこから空気が漏れるため、ぴったりと張り付けるようにして巻いてください。
ラップの中央をゆっくり押したり離したりする
ラップをまき終わったら、排水口のあるあたり、中央をゆっくり押します。テンポよく、ラップが破れない力で押すのがポイントです。ラップを押したら手を放して、また押すのを繰り返します。
これは、密閉されたラップ内の空気圧を利用してトラブルを解消する方法です。ラップを外から押し引きすることで、排水口に向けて圧力をかけます。ラップに隙間や破れがあるとそこから空気が漏れるため、ご注意ください。押す際にラップが破れたら、追加で巻きなおしましょう。
排水口の水位が下がったら水を流して確認する
何度かラップを押していると、詰まりが解消されて排水口の水位が下がります。水を流してトラブルを改善できたか確認しましょう。問題なく流れたら、修理は完了です。ラップを取り除き、後片付けをします。使ったラップは家庭ごみとは別の袋に入れて処理しましょう。
スッポンなしでトイレ詰まりを解消する方法その3・ビニール袋と手袋
ペットボトルもラップも用意できない場合でも、ビニール袋と手袋があれば、スッポンと同じ仕組みで修理できます。ビニール袋と手袋を使う方法をご紹介します。この方法を使う際は、以下の道具をご用意ください。
● ビニール袋
● ビニール手袋
● 輪ゴム
● ビニールシート
● マイナスドライバー
● 給油ポンプ
● バケツ
ビニール袋は排水口の大きさに合わせて調節します。複数用意しておくと安心です。また、袋を割けばビニールシートの代用として活用できます。排水口に手を突っ込むため、手袋はロングタイプを用意しておくと使いやすいです。
トイレを養生する
まずは便器とその周辺を養生します。ペットボトルを使うとき同様、汚水が飛び散る可能性があります。トイレ内や自分が汚れないようにしてください。ビニールシートがない場合は、ビニール袋や新聞紙でも代用できます。養生が終わったら、次の段階に移ります。
トイレの止水栓を閉めて水量を調節する
養生が終わったら、止水栓を閉めましょう。止水栓を閉めると、突然の水漏れを防止できます。また、閉めるときに回した回数を覚えておきましょう。開けるときにどれだけ回したらいいか分かりやすくなります。
止水栓を閉めたら、便器内の水量を調節します。水が多ければポンプで吸い出して、少なければバケツで水を足します。ちょうどよい量に調節したら、この工程は完了です。
ビニール手袋をした手にビニール袋を何重にも重ねてはめる
養生が終わったら、ビニール手袋を手にはめて、ビニール袋を何重にも重ねてはめてください。握りこぶしを作ったときに、排水口にはまるくらいが目安です。作業中にビニール袋が外れないよう、輪ゴムで留めておくと作業しやすくなります。
こぶしを作って手を排水口に突っ込んで出し入れする
準備ができたら、こぶしを作って手を排水口に突っ込んでください。こぶしで排水口を塞ぎ、ゆっくり引き抜きます。手をスッポンの代わりに使うようなイメージで動かしてください。こぶしをギュッと排水口にはめ込んで、そのあと力を込めながらゆっくり引き抜きます。
トラブルの原因を取り除けそうならビニール袋の中に捨てるのも有効
この方法で、詰まりの原因である汚物を取り除けるようならビニール袋の中に一度取り除くのも有効です。排せつ物はそのまま捨てられないので、直ったら細かく砕いて流しましょう。
使ったビニール袋は汚れているので、ほかの袋に入れて燃えるゴミなどに出してください。汚れが外に出ないように、二重にしてから捨てるとより安心です。
水位が下がったら止水栓を開けて確認
トラブルが解消されると、水位が下がります。ビニール袋と手袋を外して、止水栓を開けましょう。水を流して正常に動いたら修理は完了です。異常があるなら、止水栓を再び閉めて修理を続けます。完全に治るまでこの作業を繰り返してください。
修理が完了したら、養生を外し手袋と袋を捨てましょう。終わった後のビニール袋と手袋は汚れているので、二重の袋に入れたうえで燃えるゴミに出してください。
まとめ
詰まりが発生して、取り除く道具がないと焦ってしまう方も多いです。しかし、日常にある道具を使えば、スッポンがなくても対応できます。落ち着いて対処しましょう。また、自分で修理するのが難しいときでも、業者の力を借りればきちんと修理できます。自分で修理できないときや、困ったことがあれば、すぐに相談しましょう。
監修者
主任
平野 勝
《略歴》
2017年株式会社N-Visino入社後、弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行。
水回りの小さなトラブルから建物全体のメンテナンス、リフォームに至るまで、水に関わるあらゆるお悩みをお客様の目線に立ち、お客様とともに解決してまいりました。
年間約600件の現場へ実際に立ち会い、培った水のプロフェッショナルとしての経験を活かし、当コラムでは水にまつわる幅広い知識を届けたいと考えています。
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