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水のコラム

排水口にものを落とした場合の正しい対処方法について解説

2023年03月31日 水回り

日常生活で、慎重に行動していても排水口内に不意にものを落としてしまうことはよくあります。とくにイヤリングやピアス、細かいものは落としやすいでしょう。

しかし、落としたあとの対処法をきちんと理解している人は少ないかもしれません。

そこで今回は、排水口にものを落とした場合の正しい対処法について紹介します。

もしも排水口に物を落とした場合にやるべきこと

排水口にイヤリングやピアスなど小物を落としてしまった場合には、安全に取り出せるように適切な対処をすることが大事です。

同時に、ゴミ汚れなどの必要ない物を落とした際にも、放置すると、排水管のつまりや故障が原因で水漏れトラブルにつながる場合があります。したがって、必要な物だけでなく、必要ない物を落とした際にも、下記の対処法を試して問題を防止しましょう。

直ちに水を止める
水道を利用している間に排水口に物を落としたときは、すぐに水を止めるようにしましょう。

排水口を通過したところにある排水管には、排水トラップというパーツがあります。排水トラップとは、水を流さずに意図的に水を溜めておくことで、下水道側からの臭いにおいや害虫が室内に侵入してこないようにするためのものです。

排水口に物を落としたとき、大体排水トラップ近くに引っかかるケースが多く、簡単に取り出せます。

万が一物を落とした場合に水を流しつづけると、落とした異物が排水トラップを越えて突き当たりまで流される場合があり、自分で取ることは難しくなります。取れないからといってそのままにしていると、排水管つまりなどの大問題の要因になります。

どの場所に落ちたかチェックする
落下物がどの場所にあるかによって有効な対処方法が異なるので、排水口を観察して、落下物の場所をチェックしましょう。落とした箇所別の有効な対処方法は下記の通りです。

まず、落下物が排水口から確認できる位置にあるケースは、ゴム手袋をつけて、素手で直接引っ張り出せる場合があります。手や指が直接届く場合、素手で直接取るのが1番早いです。

ただ、排水口の仕組みや落下物のつっかかり具合によっては、見えるところにあっても取り出しに苦労することもあります。その場合は、無理に引っ張ると排水口の故障になる危険があるので、無理しないようにしましょう。

次に、排水口を観察しても落下物がみつからないケースは、排水トラップ部分につっかかっている場合が多く、排水管を分解すると簡単に取り出せます。

分解といえば、大変な作業という印象を受けるかもしれませんが、実のところ、排水管内に固定されたネジ箇所やナット箇所を順序よく取り外していくという簡単な作業です。

ネジ箇所やナット箇所を取り外すとき、ドライバーやモンキーレンチがあると対処しやすいです。分解作業の大きな流れは、排水トラップ内に溜まる水の吹きこぼれに気を配りながら排水パイプを外し、落下物が取れたら排水管を元通りにするというものです。

排水管の分解法は、次の項目でより詳しく紹介します。

排水管分解のやり方

排水口に落とした物が確認できるところにない場合は、排水トラップ内につっかかっている場合が多いので、排水管を分解して確かめましょう。

分解に必要となるツール
排水管を分解する場合は、以下の道具が必要となります。

・ゴム手袋
・バケツ
・ビニールシート
・ボロタオル
・ドライバー(ネジで固定のケース)
・モンキーレンチ(金属ナットで固定のケース)

ドライバーやモンキーレンチが必要になるときは、ホームセンター・オンラインショップで購入できます。ただ、排水管部に設置されている固定器具が、金属製ナットではなく樹脂製ナットのケースだと、道具なしで手動によって外せることもあります。分解をする前に素手で回して緩められるか確かめておきましょう。

作業開始前にすべきこと
排水管分解の前に、作業時の水漏れ防止のために止水栓を確実に締めてください。排水パイプ部を外すと中身に溜まる水が溢れる危険があるので、周りに置く物を全部移動させ、床にビニールシートやボロタオルを敷いておきます。

同時に、排水パイプ内側の汚水が床面に溢れないようにするために、汚水を処理するためのバケツも準備しておく必要があります。

排水管を分解する方法
排水管に設置されている螺子・ナット類を順に緩めていき、取り外していきます。樹脂製ナットの場合、素手で回して外せますが、金属製の場合ドライバーやモンキーレンチを使って外しましょう。

固定された箇所を緩め終わったら、水漏れに気を配りながら排水パイプを排水管から抜き、バケツ部分に汚水を流し込んでください。

流れてきた汚水内に落下物がないかチェックし、もしも見つからなかった場合は排水パイプ内側を確認します。この際、排水トラップの湾曲した地点に落下物が残っているケースも多いので、入念に確かめましょう。

落下物が取り出せたら、排水パイプを元通りにして水を流し、水漏れなどの問題なく水道が使用できるか必ず確かめてから分解作業を完了してください。

排水管内に物がなかったケース
排水管を分解しても落下物がなかったときは、以下のケースが考えられます。

・排水管のどこかにつっかかっている
・排水マス周辺まで流されている
・下水道付近まで流されている

排水管内を流れる水は、排水マスという水が溜まる機能のところまで流れた後、排水の本管、また下水道管付近へと流されていきます。落下物が排水トラップを通過して流れてしまったとき、排水管、排水マス、下水道のどの箇所にあるのか自分で見極めて取り出すことは難しいです。

排水管や排水トラップ内に落下物を見つけられなかったときは、専門業者に取り除き作業を依頼しましょう。

排水口に物を落とした際の注意点

以下、排水口に物を落下させた場合にすべきことを解説します。

まず、非水溶性の物を排水口内に落としたケースは、要らない物や小物であっても、そのままにするのはよくありません。放っておくと、排水管のつまりや故障につながる危険があり、状況によっては高い修理費用が必要となる場合もあります。

そして、マンションの場合だと、排水管が破損して水漏れが引き起こると、下の階への漏水ダメージなど大問題につながるケースもあります。排水口に落下物は放置せず、必ず取りましょう。

また、排水口内の落下物を取る際に、針金などの鋭いものは使わないようにしてください。針金のような鋭いもので強引に排水口をいじると、落下物をより奥側へ押し込み、余計に取りづらくしてしまうケースがあります。

排水口や排水管に傷をつけると、故障や水漏れする原因にもなります。なので、排水管を傷つけるような無理な対処は避けましょう。

そして、排水口内に物を落としたときに水を流すと、落下物が奥周辺に流れてかえって取り出しづらくなります。排水管分解や専門業者への依頼が必要であり、すぐに対処できない状況でも、なるべく水道の使用は避けるようにしましょう。

日常から気を付けること

物を排水口に落とさない意識が大事です。以下、簡単に実践できる対策を紹介します。

まず、大きさが小さい物は、排水口に直接入りやすいので、小物は排水口の近くにはできる限り置かないようにしましょう。例をあげると、以下の物があげられます。

・アクセサリー類
・髪ゴム
・歯ブラシ
・歯磨きペーストの蓋
・コンタクトレンズ類
・ペットボトルの蓋

洗面台や流し台で使う細かい物だけでなく、身につけるアクセサリー類を落とす場合もあります。水道を使う場合は、イヤリングなどのアクセサリー類を付けないように心がけましょう。

まとめ

この記事では、排水口にものを落とした場合の正しい対処方法について解説してきました。

もし、ものを落としてしまった場合は、水を止めて冷静にどこにあるのかを確かめましょう。排水管を分解して排水トラップ内を確認しても見つけられなかった場合は、専門業者に依頼して対処しましょう。

監修者

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主任

平野 勝

《略歴》

2017年株式会社N-Visino入社後、弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行。
水回りの小さなトラブルから建物全体のメンテナンス、リフォームに至るまで、水に関わるあらゆるお悩みをお客様の目線に立ち、お客様とともに解決してまいりました。
年間約600件の現場へ実際に立ち会い、培った水のプロフェッショナルとしての経験を活かし、当コラムでは水にまつわる幅広い知識を届けたいと考えています。

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