洗濯機の排水ホースを交換する目安と交換方法を解説

「洗濯機の下に水が溜まっている」「洗濯機の付近から嫌なニオイがする」

このような場合には、排水ホースに不具合が起きているかもしれません。

そのまま使用しつづけると、洗濯機にエラーが生じて突然動かなくなる可能性があるので、早めの交換が肝心です。
本記事で洗濯機の排水ホースの交換方法を確認し、作業の準備に取り掛かりましょう。

洗濯機の排水ホースの交換を検討すべき目安

洗濯機の排水ホースを交換する時期の一般的な目安は、2～3年とされています。
この期間を過ぎると、排水ホース内に蓄積したごみや衣類の糸くずなどによるつまりで、水漏れや故障につながる可能性が高いため、交換をおすすめします。

ただし、次の症状がみられる際は、使用期間を問わず交換を検討しましょう。

洗濯機の排水ホースの交換を検討すべきサイン

• 排水ホースから水が漏れている
• 排水ホースが劣化している
• 排水ホースの周りから悪臭がする

以下では、これらの場合に排水ホースの交換を考えたほうがよい理由を説明します。

排水ホースから水が漏れている

排水ホースを交換したほうがよいサインの一つとして、水漏れの発生が挙げられます。
排水ホースが劣化したり何かの拍子に傷付いたりすると、そこから亀裂が入り、水漏れが起きてしまうことがあります。

被害が少なかったとしても、放置すると破損部分が大きくなり深刻な浸水被害につながる可能性があるので、早めに対処することが重要です。

排水ホースが劣化している

水漏れが発生していない場合でも、排水ホースが明らかに劣化していれば、交換したほうがよいでしょう。

排水ホースは、洗剤成分や紫外線などさまざまな影響を受けて日々劣化しています。
その劣化が目に見えてわかる程度であれば、亀裂が入って水漏れにつながるのも時間の問題です。

色が変わっていないか、またはホースに柔軟性がなくなっていないかといった点から、劣化の有無を確認し、必要に応じて交換をご検討ください。

排水ホースの周りから悪臭がする

洗濯機付近から悪臭がする場合にも、排水ホースの交換を検討したいところです。
このニオイの原因は、ホース内にこびり付いた汚れやカビにあります。

排水ホースを掃除すれば悪臭を解消できる可能性はありますが、使用開始から数年経っているようであれば劣化がある程度進んでいるため、交換をおすすめします。
いずれの対応を取るにも、放置していると洗濯物にニオイが移ってしまう可能性があるので、早めに行動することが大切です。

洗濯機の排水ホースを交換する手順

それでは、洗濯機の排水ホースの交換方法を確認していきます。
交換作業に際し、次の道具を準備しましょう。

洗濯機の排水ホースを交換する際に必要な道具

• 新しい排水ホース
• はさみ
• 結束バンド
• ドライバー（ホースクリップがねじ式の場合に限る）

これらが準備できたら、以下の手順に沿って交換作業を進めていきます。

洗濯機の排水ホースを交換する手順

• 手順①古い排水ホースを取り外す
• 手順②新しい排水ホースの長さを調節する
• 手順③新しい排水ホースを取り付ける

手順①古い排水ホースを取り外す

はじめに、現在取り付けている排水ホースを洗濯機本体・排水パイプから取り外します。
以下の手順に沿って、作業を進めていきましょう。

排水ホースを取り外す手順

• ①洗濯機で脱水運転をかける
• ②電源プラグ・アース線をコンセントから抜く
• ③蛇口を閉める
• ④排水ホースを洗濯機本体・排水パイプから取り外す

排水ホースを取り外す具体的な方法は、洗濯機本体・排水パイプと結合する部品の“ホースクリップ（ホースバンド）”の種類によって異なります。
以下で、“クリップ式・ねじ巻き式・スナップ式”の3種類に分けて、それぞれの外し方を紹介します。

クリップ式

クリップ式は、洗濯ばさみのような形状であり、排水パイプを挟んで排水ホースを固定するタイプです。
洗濯ばさみと同じ要領で持ち手となる部分をつまめば、簡単に排水ホースを取り外せます。

クリップが硬い場合には、ペンチやプライヤーといった工具を用いると無理に力を入れることなく安全に緩められます。

ねじ巻き式

排水パイプに巻かれたバンドを、ねじで締めたり緩めたりするタイプがねじ巻き式です。
一般的には反時計回りにねじを回すことでバンドが緩み、排水ホースの交換作業を行えるようになります。

蝶ねじの場合は手で回せますが、それ以外の場合にはドライバーが必要です。

スナップ式

スナップ式では、排水パイプにバンドを巻き付けて、凹凸のある両端の部品をかみ合わせることで排水ホースを固定します。
製品によって異なりますが、特定の箇所を押したり、かみ合わせ部分を横にずらしたりといった簡単な工程で取り外せるように設計されています。

手順②新しい排水ホースの長さを調節する

交換前の製品と同じ排水ホースを用意できなかった場合は、はさみで切って長さを調整する必要があります。

ホームセンターやネット通販で購入できる汎用品は、互換性を高めるために長さに余裕をもたせて作られています。
調整せずに取り付けると、ホースの長さが余り、途中で折れ曲がって排水を妨げる可能性があるのです。

新しい排水ホースを取り外したホースと並べて長さを合わせると、失敗せずに切れるでしょう。

手順③新しい排水ホースを取り付ける

最後に、新たに用意した排水ホースを洗濯機本体・排水パイプに接続します。

排水ホースを取り付ける手順

• ①洗濯機の接続口に排水ホースを差し込み、ホースクリップで固定する
• ②排水パイプを排水口から取り外す
• ③取り外した排水パイプに排水ホースを差し込み、ホースクリップで固定する
• ④接続部分がズレないか確認する
• ⑤排水パイプを排水口に戻す

排水ホースをホースクリップで固定する際は、すき間ができないよう意識して作業するのがポイントです。
ホースクリップは既存のものを使用できますが、結束バンドでも代用可能です。

洗濯機の排水ホースを交換する際の注意点

上記のように、排水ホースはご自身で交換できますが、取り扱いを誤ると部品の破損や使用時のつまりにつながるおそれがあります。
以下で排水ホースの交換にあたって注意すべき点を2つ確認し、適切に作業を実施しましょう。

注意点①無理に作業を進めない

交換作業では、「排水ホースが固くて取り外せない」「ホースクリップをなかなか緩められない」と行き詰まることもあります。
そのようなときに、無理に作業を進めることは避けたいところです。
力ずくで進めようとすると、部品の破損や、最悪の場合には洗濯機本体の故障といった事態にまでつながりかねません。

作業が滞った際には、ご自身の作業方法が間違っていないか今一度確認し、それでも解決しないようであれば、無理せず専門業者に依頼することをおすすめします。

注意点②排水経路を適切に確保できるように排水ホースを設置する

新しい排水ホースは、水流を妨げない形状となるように設置しましょう。

排水ホースが途中で無理な形に折れ曲がっている、あるいは床から10cm以上も離れているような場合には、排水が滞ってしまいます。
この状態では排水ホース内に汚れが蓄積しやすくなり、次の交換時期を早めるおそれがあります。

そのため、上記に挙げた２点に注意し、排水ホースが自然な形を維持できるように設置することが重要です。
交換前の排水ホースが専門業者によって取り付けられたものであれば、その際の形に合わせて設置すると、適切な排水経路を簡単に確保できます。

洗濯機の排水ホースの洗浄方法

洗濯機の排水ホースは、定期的なメンテナンスでつまりを防止して寿命を延ばせます。
汚れやカビによる悪臭の発生を抑えるためにも、最低でも年に1回は以下の手順で洗浄することをおすすめします。

排水ホースの掃除の手順

• ①洗濯機で脱水運転をかける
• ②電源プラグ・アース線をコンセントから抜く
• ③蛇口を閉める
• ④排水ホースを洗濯機本体・排水パイプから取り外す
• ⑤片方のホースの先端をラップで巻いて輪ゴムで強く縛る
• ⑥洗濯機用の漂白剤と水を排水ホース内に注ぐ
• ⑦もう一方の排水ホースの先端もラップと輪ゴムで包む
• ⑧排水ホースを何度か優しく揺すったあと、汚水を捨てる
• ⑨排水ホースを洗濯機本体・排水パイプに取り付ける

掃除の際にホースクリップを何度か取り外していると、締め付けが弱くなっていることがあるため、付け直して緩みを感じる場合には新品のものや結束バンドに変えましょう。
比較的用意しやすい道具で簡単に掃除できるので、ぜひお試しください。

洗濯機の排水ホースの選び方

新しい排水ホースは、使用している洗濯機に備え付けられていた製品と同じものを購入することをおすすめします。
同じメーカーの製品であれば、使用中の洗濯機に適切な口径で作られているため、取り付けをうまく行えなかったことによる水漏れのリスクを抑えられます。
洗濯機の型番と製造年を控えて、販売店や家電量販店に在庫がないか問い合わせてみましょう。

なお、「現状と同じ製品が廃盤になっている」「急いで交換したい」といった事情がある場合には、比較的手に入れやすい汎用品を選ぶのも一つの手です。
汎用品であっても、洗濯機の接続口や排水パイプの口径を正確に測って選べば、問題なく取り付けられます。

洗濯機の排水トラブルでお困りならくまもと水道職人へ

洗濯機の排水ホースは、ご自身で交換することができます。
使用を始めてから2～3年経過している場合や、洗濯機付近の水漏れ・悪臭などの症状がみられる場合には、早めに交換しましょう。
交換の際は、部品を丁寧に扱い、排水ホースが折れ曲がったり立ち上がり過ぎたりしないように設置することがポイントです。

なお、排水ホースを交換しても水漏れや悪臭が続くようであれば、排水口でなんらかのトラブルが起きているのかもしれません。
この原因を解明・解消するためには、ぜひくまもと水道職人にご相談ください。
水回りのプロが原因を迅速に突き止め、的確な対処法をご提案します。

監修者

主任

平野 勝

《略歴》

2017年株式会社N-Visino入社後、弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行。
水回りの小さなトラブルから建物全体のメンテナンス、リフォームに至るまで、水に関わるあらゆるお悩みをお客様の目線に立ち、お客様とともに解決してまいりました。
年間約600件の現場へ実際に立ち会い、培った水のプロフェッショナルとしての経験を活かし、当コラムでは水にまつわる幅広い知識を届けたいと考えています。