ユニットバスから水漏れ！原因と適切な対処法とは？

ユニットバスから水がポタポタと滴る音がするときは、もしかするとユニットバスのどこからか水漏れが起きていると考えられます。

ユニットバスにはさまざまな部品や設備が取り付けられていることから、なによりも水漏れの場所を特定することが重要なポイントです。この記事ではユニットバスで考えられる水漏れの場所や原因、自分で対処する方法についてご紹介します。

ユニットバスの水漏れで考えられる原因

ユニットバスにはシャワーや浴槽、トイレなどが取り付けられているため、水漏れの場所を特定するには細かく確認することが大切です。ここではユニットバスならではの特徴から、考えられる水漏れの場所や原因をご紹介します。

蛇口
ユニットバスの蛇口は、壁内部に取り付けられた給水管とつながっています。もし蛇口から水が漏れている場合は、この水栓と給水管のつなぎ目が長期使用によってゆるんでいると考えられます。

蛇口付近から水漏れが起きた場合は、水がじわじわと漏れ出します。蛇口をきつく閉めているのにもかかわらず、いつまでもポタポタと水が滴るようであれば、蛇口周りのゆるみが起きていないかを確認してみましょう。

シャワーヘッド
蛇口に異常が見られない場合は、シャワーヘッドの内部に取り付けられたパッキンが劣化して水漏れを引き起こしていると考えられます。

シャワーヘッドも長期使用、つまり経年劣化によって内部に取り付けられた部品が破損したりゆがんだりして、正常に機能しないことがあります。

蛇口を確認しても異常が見られず、シャワーヘッドから水が滴るようであれば、シャワーヘッド内部のパッキンや部品を確認してみましょう。

劣化などによる浴槽のひび割れ
蛇口やシャワーヘッドなどに異常が見られない場合は、浴槽にひびや割れなどがないかを確認しましょう。

浴槽も消耗品の一つであり、体重による負荷や物を落下させたことによってひびや割れにつながることがあります。

デザインなどが理由で浴槽のひびや割れを見つけにくい場合は、水を張ってスポンジを浮かせてみてください。スポンジの動きによってひびや割れの場所が特定しやすくなります。

ユニットバス内のトイレからの水漏れ
ユニットバスの設計上、トイレも設置されていることがほとんどです。蛇口やシャワーヘッド、浴槽に異常が見られない場合は、トイレの水漏れを疑いましょう。水漏れの原因としては以下のものが考えられます。

・給水タンク内に取り付けられた部品の劣化・異常
・便器そのものにひびや割れが発生している
・便器と排水管のつなぎ目に劣化や異常がある

トイレ周りを今一度細かく確認し、異常や劣化などがないかを見てみましょう。

壁裏からの水漏れ
浴室の壁裏から「シュー」、または「ポタポタ」といった異音が聞こえるときは、壁裏や天井裏にある給水管や給湯管から水漏れが起きている可能性があります。

このまま放置すると水漏れが広範囲にわたり、集合住宅であれば床下浸水などの大きなトラブルにつながります。壁裏や天井裏の水漏れは、自分で修理することは困難です。これらの症状が見られる場合は、速やかに水道業者に点検を依頼してください。

防水コーティングの劣化
ユニットバスは床に防水コーティングを施すのが一般的です。このコーティング剤は長期使用や劣化によって剥がれるものです。耐用年数はおよそ10年であるものの、築年数や入居年数によってはその限りではありません。

もし、床から水漏れが起きている場合は、防水コーティングの劣化と判断し、集合住宅であれば大家や管理会社へ、戸建てであれば施工会社やリフォーム会社へ相談すると良いでしょう。

排水管
蛇口やシャワーヘッド、浴槽や壁裏や天井の給水管などに異常がない場合は、排水管に異常があると判断しましょう。水漏れは確認できないものの水道料金がいつもと比較して高い場合も、排水管に何らかの異常があると考えられます。

排水管の異常も自分では判断することが困難です。これまで紹介した場所に異常が見られない場合は、一度最寄りの水道業者に点検を依頼するのが望ましいでしょう。

ユニットバスの水漏れを自分で対処するには

ユニットバスから水漏れを確認した場合は、速やかに水漏れの箇所を特定することが大切です。しかしそのほかにも、水漏れを最小限に食い止めるための方法について把握しておく必要があります。

トラブルを最小限に抑えるためにも、ここでは水漏れが起きた場合に取り入れたい自分でできる対処法についてご紹介します。

止水栓を閉めて水を止める
水漏れ箇所の特定が終わったときは、止水栓を閉めて水を止めましょう。

止水栓は水周りの各所に取り付けられる部品のことで、ユニットバスのほか、トイレやキッチンなどに設置されています。各所の止水栓を閉めれば水の給水が止まるため、水漏れ被害を最小限に食い止めることができます。

なお、止水栓にはレバータイプやマイナスドライバーを使って開閉するドライバータイプがあるので、それらを視野に入れたうえで探してみましょう。万が一止水栓の場所がわからない場合は、元栓を閉めても良いでしょう。

ただし、元栓を閉めてしまえば住宅内外全ての水が使用できないため、あらかじめ貯水すると安心です。

シーリングを使って補修をする
浴槽、またはトイレから水漏れが起きている場合は、ホームセンターで購入可能なシーリング材を使って補修することが可能です。安価な物であれば700円ほどで購入できます。

なお、浴槽やトイレの材質によっては一部のシーリング材では付着しない可能性があります。シーリング材を購入する際は、あらかじめ最寄りのホームセンターに浴槽、またはトイレに使用可能なシーリング材が置いてあるかを問い合わせると安心です。

テープを使って補修をする
蛇口と壁のつなぎ目や浴槽、トイレからの水漏れが確認できた場合は、補修テープを使って補修することも可能です。水漏れ防水テープなどを取り入れれば、水に濡れても一時的に使用可能なので、大型連休や年末年始など、水道業者が休みであっても応急処置として役立ちます。

ただし、補修テープは根本的な解決には至りません。水道業者の連休が明けたときは、できるだけ早いうちに点検・修理を依頼しましょう。

水道業者に依頼する場合の費用相場

ユニットバスから水漏れが確認できた場合、水道業者に依頼する際の修理費用相場は以下の通りです。

・シャワーの修理、または交換作業/3,000円～30,000円
・蛇口や水栓の修理、または交換作業/7,000円～35,000円
・浴槽の補修、または塗装作業/95,000円～150,000円
・新品の浴槽へと交換/50,000円～200,000円
・ドアの修理、または交換作業/15,000円～200,000円
・壁や床、天井の交換作業/40,000円～300,000円

各修理・交換作業に大きな振り幅がある理由は、形状や材質によって異なるからです。無理に直そうとはせず、複数の水道業者に無料見積もりを取ってから検討を進めましょう。

依頼する場合の注意点
水道業者に修理や交換作業を依頼する際は、以下の点をポイントに検討しましょう。

・費用相場からかけ離れた金額を請求しないか
・スムーズな対応を心がけているか
・口コミや評判に著しく悪い評価はないか
・アフターサービスはあるか
・豊富な実績はあるか
・水道局指定工事店であるか

これらは水道業者公式サイトなどで確認できるほか、近年では水道業者の口コミサイトなどからも確認できます。親切・丁寧・安心の3つを兼ね揃えた業者選びを行いたい方は、上記6つのポイントを踏まえて検討を進めてください。

まとめ

毎日使うトイレや浴槽のあるユニットバスだからこそ、水漏れの場所は速やかに特定し、何らかの対処を行うことが大切です。大きなトラブルにつなげないためにも、本記事でご紹介した対処法を取り入れる、または水道業者への依頼の検討を進めながら改善を図りましょう。

監修者

主任

平野 勝

《略歴》

2017年株式会社N-Visino入社後、弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行。
水回りの小さなトラブルから建物全体のメンテナンス、リフォームに至るまで、水に関わるあらゆるお悩みをお客様の目線に立ち、お客様とともに解決してまいりました。
年間約600件の現場へ実際に立ち会い、培った水のプロフェッショナルとしての経験を活かし、当コラムでは水にまつわる幅広い知識を届けたいと考えています。