水のコラム
水道管が凍結するとどうなる?原因と対策を徹底解説【水道職人:プロ】
真冬の寒い朝、蛇口をひねっても水が出てこない—。
このような経験をされた方も多いのではないでしょうか。
冬季に起こる水道トラブルの中でも、特に注意が必要なのが水道管の凍結です。
放っておくと配管の破裂や水漏れなど、深刻な事態を引き起こす可能性があるため、早めの対策が重要となります。
この記事では、寒い時期や寒波の到来時に、水道管の凍結が引き起こす問題とその対策方法について、実例を交えながら詳しく解説します。
寒冷期に備えた対策の参考として、ぜひ最後までご覧ください。
目次
水道管が凍結すると起こる3つの重大なトラブル
水道管の凍結は、一見すると「水が出なくなる」だけの単純な問題のように思えるかもしれません。
しかし実際には、私たちの生活に大きな影響を及ぼすだけでなく、家屋に深刻な被害をもたらす可能性もあります。
予防策の重要性を理解するためにも、まずは水道管の凍結が引き起こす具体的な問題について確認しておきましょう。
1. 生活必需品である水が出なくなる
最も一般的な症状が、蛇口をひねっても水が出なくなることです。
これは配管内の水が凍って氷となり、水の通り道が塞がれてしまうために起こります。
特に朝の忙しい時間帯などにこのような事態が発生すると、洗面やトイレ、炊事など、日常生活に欠かせない作業に大きな支障をきたします。
また、一般家庭だけでなく、飲食店や美容院といった水を頻繁に使用する事業者にとっては、営業が成り立たなくなる可能性もあり、経済的な損失にもつながりかねません。
凍結は一時的な水の供給停止というだけでなく、私たちの生活や事業に深刻な影響を及ぼす問題なんです。
2. 水道管の破裂による二次被害
水道管の凍結でさらに警戒が必要なのが、配管の破裂です。
水は凍結すると体積が約1.1倍に膨張します。
この膨張圧力により、水道管が内側から押し広げられ、最悪の場合は破裂に至ります。
特に設置から年数が経過した古い配管や、過去に凍結を経験した配管は、破裂のリスクが非常に高まってしまうため注意が必要です。
水道管の破裂は、単なる水漏れの域を超えた深刻なトラブルを引き起こしかねません。
天井裏や壁の中で破裂が起きた場合、建材が大規模に損傷する可能性があります。
また、電気配線に水が染み出すことで、漏電や火災のリスクも高まります。
さらに、破裂個所の特定に時間がかかるケースも多く、修理費用が高額になることも少なくありません。
3. 解凍時の予期せぬ水漏れ
凍結による被害は、解凍時にも注意が必要です。
凍結によって水道管に微細なヒビが入った状態で解凍されると、突如として水漏れが発生することがあります。
特に深刻なのは、気付かないうちに建物の構造部分で水漏れが進行するケースです。
天井や壁の中で起きる水漏れは、発見が遅れるほど被害が拡大し、最終的に大規模な修繕工事が必要になることもあります。
なぜ水道管は凍結するの?
水道管の凍結は、気温が氷点下になる冬季に多く発生します。
特に真夜中から早朝にかけて気温が急激に低下する時期は要注意です。
しかし、気温だけが凍結の原因ではありません。
設置場所や配管の状態など、さまざまな要因が複雑に絡み合うことで、予期せぬ凍結のリスクは高まります。
日光の当たりにくい北向きの外壁に設置された配管や、風当たりの強い場所にある配管などは要注意です。
冷たい風にさらされ続けることで、配管の温度が急速に低下してしまいますので、その分凍結してしまう可能性は高いと言えるでしょう。
さらに、水道メーターボックス内の配管も凍結しやすい箇所の一つです。
地面に近い位置にあるため、冷気が溜まりやすく、一度温度が下がると自然には回復しにくい環境にあります。
特に、メーターボックスのふたに隙間があると、冷気が直接配管に触れることになり、凍結の危険性は非常に高くなります。
凍結を防ぐ効果的な予防策は?
水道管の凍結を防ぐためには、適切な予防対策が欠かせません。
ここでは、自分でも取り組める簡単な対策方法をご紹介します。
水道管の保温対策
最も重要な予防策が、水道管の保温です。
露出している配管には必ず保温材を巻き付け、外気との接触を防ぐ必要があります。
保温材を選ぶ際は、耐久性の高い専用の防寒カバーなどを使用することをおすすめしますが、古い布や新聞紙などでもある程度代用は可能です。
ただし劣化が早く、十分な保温効果が得られない可能性がある点は考慮しておきましょう。
保温材を巻く際は、隙間なく配管全体を覆うことが重要です。
特に、配管の継ぎ目や曲がり角などは入念に保温しましょう。
また、保温材が雨や雪で濡れないよう、必要に応じて防水テープや防水シートなどで処理を施すことも効果的です。
適切な水の流し方
気温が大きく下がる夜間は、蛇口から少量の水を流し続けることで凍結をある程度防ぐことができます。
水は基本的に流れていると凍りにくくなるため、非常に効果的ではあるものの、水道料金の上昇にもつながりますので、真冬日が予想される日や寒波の到来時だけに限定することをおすすめします。
水を流す際は、水道の元栓から最も遠い位置にある蛇口を選びましょう。
こうすることで、建物内の配管に効率的に水を流すことができ、凍結を防ぐことができます。
水量は鉛筆の芯くらいの細さで「チョロチョロ」と出ている程度で十分です。
もし凍結してしまったら?解凍方法と注意点
凍結が発生してしまった場合は、慌てず適切な手順で対応することが重要です。
誤った解凍方法は、配管の破損につながる可能性があるため、細心の注意が必要です。
まず、凍結している部分をできる限り特定しましょう。
蛇口をひねっても水が出ない、配管が異常に冷たい、配管表面が膨らんでいるなどの症状がある箇所を確認してみてください。
特に、北側の壁面や日陰になっている場所は重点的にチェックします。
凍結している部分が特定できたら、タオルなどの布を巻き、ぬるま湯を少しずつかけて温めてみましょう。
この時、決して熱湯は使用しないでください。
急激な温度変化は配管を破損させる原因となります。
解凍作業中は、定期的に蛇口を開けて水が出るかどうかを確認しておきましょう。
水が出始めたら、しばらくの間、少量の水を流し続けることで、配管内に残った氷を完全に溶かすことができます。
意外と多い!熊本県での水道管凍結トラブル
熊本県は寝管を通して比較的温暖な気候ではありますが、実は水道管の凍結トラブルが意外と少なくないんです。
特に、阿蘇山周辺の高原地域や山間部では、冬季の気温が氷点下まで下がることも珍しくありません。
さらに、2016年の熊本地震以降、水道管の老朽化や損傷が進んでいる地域もあり、そういった場所では通常よりも凍結のリスクが高まっている可能性があります。
また地盤の変化で、それまで問題なかった配管が外気の影響を受けやすくなってしまうケースもあります。
特に注意が必要なのは、県内でも標高の高い阿蘇市、南小国町、小国町などの地域でしょう。
こういった地域では、真冬日が連日続くことも多く、事前の予防対策が特に重要となりますので、早めの備えをおすすめします。
水道管の凍結防止は日頃のケアが重要!
水道管の凍結は、適切な予防対策を行うことで防ぐことができます。
ただし自己判断での対応が難しい場合や、不安な点がある場合は、すぐに専門業者に相談することをおすすめします。
私たち「くまもと水道職人」では、経験豊富な専門スタッフが、お客様の環境に合わせた最適な対策や修理対応をご提案いたします。
地域に根差した水道のプロフェッショナルとして、皆様の快適な暮らしをしっかりとサポートしてまいります。
一年を通して安心して水道をお使いいただけるよう、私たちが責任を持ってお手伝いさせていただきますので、是非お気軽にお問い合わせください。
また、より詳しい作業手順や実践的なアドバイスは、水道職人のYouTubeチャンネルでもご覧いただけます。
実際の現場での作業の様子や、プロならではの便利な豆知識も配信していますので、ぜひチャンネル登録をお願いします!
監修者
主任
平野 勝
《略歴》
2017年株式会社N-Visino入社後、弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行。
水回りの小さなトラブルから建物全体のメンテナンス、リフォームに至るまで、水に関わるあらゆるお悩みをお客様の目線に立ち、お客様とともに解決してまいりました。
年間約600件の現場へ実際に立ち会い、培った水のプロフェッショナルとしての経験を活かし、当コラムでは水にまつわる幅広い知識を届けたいと考えています。
熊本のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「くまもと水道職人(熊本水道職人)」
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