水のコラム
トイレタンクにペットボトルは使えない!NGの理由と正しい節水方法
トイレの水は、一度に流れる量が決まっているため節水が難しい場所です。かつて、節水に役立つ方法としてトイレタンクにペットボトルを入れる方法が注目されたため、現在もペットボトルをタンクに入れてかさ増しを行っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、トイレタンクにペットボトルを沈める行為は、トイレにとってまったくの逆効果。思わぬトラブルを招くおそれがあります。ここでは、トイレのタンクにペットボトルを入れてはいけない理由や、ペットボトルを沈めることで起こる可能性のある問題について紹介します。
目次
トイレタンクにペットボトルを入れてはダメな理由
トイレのタンクに水を入れたペットボトルを沈めると、容積のあるペットボトル自身がタンク内の水をかさ増しした状態になります。トイレタンクは一定量の水量を下回ると水が流れ込むため、かさ増しをしていることで余分な水が入らなくなり、節水効果が得られる仕組みです。
タンクに入れられるサイズで水に溶けず、容積もあるものとしてはレンガなどを沈めるケースもありますが、どのような物でも以下のような理由から、タンク内に沈めるのは避けてください。
【ペットボトルをタンクに入れてはいけない理由】
- 水量が足りずに詰まりが起きやすくなる
- タンク内の部品に沈めた物が引っかかる
- 沈めた物でタンク内の部品が破損する
- タンク内の清掃が複雑になる・手間がかかる
タンク内の水量をかさ増ししたとしても、実際の水量が増えるわけではありません。そのため、排泄後に水を流したときに便器内へ流れていく水の量は通常よりも少なくなり、トイレットペーパーなどをたくさん流そうとしたときに詰まりが発生するおそれがあります。
タンク内にはさまざまな部品が備え付けられているため、重量のあるものを無理に鎮めようとすると部品の接続が外れたり、破損したりといったトラブルを引き起こす可能性もあります。
ペットボトルが引っかかって部品が取れると、正常にタンク内が機能しなくなり水漏れやその他の不具合に繋がってしまいます。また、ペットボトルを沈めることでペットボトル本体と中身の水もそれぞれ交換や清掃が必要になり、余分な手間がかかります。
トイレタンクにペットボトルを入れると起こる問題
トイレのタンク内にペットボトルを入れると、大きく分けて3つの問題が起こりやすくなります。
具体的にどのようなトラブルが考えられるのかをみていきましょう。
問題①タンク内部の破損
タンクの中には、レバーから繋がる管・オーバーフロー管・ボールタップ・ゴムフロート・浮き球と複数の部品が接続されています。それぞれが互いに動作し合って水の流入を調節していますが、ここにペットボトルを沈めると繊細な部品をずらしたり部品に引っかかったりして、破損の原因になってしまいます。
部品が破損すると交換が必要になり、工事費や出張費といったコストも発生するため、結果として節約以上の出費が発生する可能性もあります。
問題②トイレの詰まり
タンク内のかさ増しによって水流が減ると、普段通りの水量で流していたトイレットペーパーや汚物が流れにくくなります。
トイレットペーパーは本来水によって分解され、細かく砕かれて流れていくものですが、水量が少ないと分解が進まず、丸めた状態のまま流れてしまい、詰まりの原因になってしまうのです。
トイレが詰まるとその部分が栓になって水をせき止めるので、水を流し入れると逆流のおそれがあります。汚水が便器から溢れて床を汚したり、臭いが染み付いて取り除けなくなったりするため、無理な節水は避けるようにしましょう。
問題③給水弁の誤作動
ペットボトルを沈めたとき、給水弁を触ってしまうと自然に弁が閉じられず、タンクへ水が供給され続けます。タンクは常に水で満たされ、水が溢れて便器の中へと流れ込むようになります。
チョロチョロという水の流入で便器は常に水が止まらない状態になるため、節水をしているつもりがかえって水を給水し続ける結果に。本来の節約効果が得られなくなる可能性があります。
トイレの水が止まらなくなったときは給水管の破損が原因の場合もあります。こちら記事では給水管の故障・破損について解説していますので、あわせてご覧ください。
トイレ給水管の故障・破損で起きるトラブルとDIYによる交換方法
トイレを使う際の正しい節水方法
トイレを使う際には、ペットボトルのような重しを使わない正しい節水方法を心がけましょう。
ここからは節水に役立つ4つの方法をチェックしていきましょう。
方法①洗浄レバーの大と小を使い分ける
多くのトイレでは洗浄レバーに小と大が用意されています。10リットル便器では大が10リットル、小が8リットルと2リットル程度の水量の違いがあるため、たくさん水を流さなければならない場合は大を、それ以外は小を使い分けましょう。
家庭の中で水の消費量がもっとも多い場所は浴室ですから、トイレ自体は極端に節水を心がける必要はありません。それでも、普段からこまめに使う場所のため、大と小を使い分ける工夫で節水を重ねていきたいですね。
方法②必要以上に水を流さない
汚物を含む水は2回程度流すべきですが、尿のみであれば1回でも問題はありません。便器内を薬剤で洗ったときにも、1回流す程度で十分です。
使用後の水が汚いからといって3回も4回も流すと、節水効果が薄れてしまいます。最大でも流す回数は2回程度にとどめ、1回目は大・2回目は小にするといった工夫で節水効果を得ると良いでしょう。
方法③節水グッズを活用する
トイレに使える節水グッズとして、音消しグッズが挙げられます。排泄中の音を聞かれたくないときに水を流すと1回分の水道代がかかってしまうため、代わりに音消しグッズを活用してみてください。
浮き球の上に被せるタイプの節水グッズも販売されていますが、賃貸物件では備え付けの設備を自由に改造したり部品を取り付けたりすると、思わぬトラブルの原因になる場合があります。
タンク内に節水グッズを設置する場合は事前に管理会社に相談して許可を受けるか、トイレ以外の場所の節水も併用することをおすすめします。
方法④節水できるトイレ本体に買い替える
節水型便器とは、従来のタイプとは異なり水の使用量を減らして洗浄が行える便器です。トイレの水流は上から下への縦方向が主流でしたが、最新式の節水トイレでは渦巻きのように水が流れていき、少ない水でも広範囲を洗浄できます。
TOTOやLIXIL(INAX)では、新旧のトイレタイプを型番で研削し、洗浄水量を比較することができます。たとえば「大16」のように、大という漢字の隣に数字が書かれていますが、これは大で流したときに16リットルの水が必要になるという意味です。
最新式の節水トイレは3.8〜5リットル程度までが揃っていますが、いずれも従来型のトイレより水量を少なく抑えられます。節水グッズを使っても劇的な効果が得られない可能性があれば、節水トイレに買い替える方法も検討したいところです。
工夫を重ねてトイレの節水を始めよう
今回は、節水のためにペットボトルを活用するべきではない理由やペットボトルを入れると起こり得る問題、節水方法について紹介しました。
トイレは一日のうちで必ず使用する場所のため、まったく使わずに過ごすことはできません。しかし大と小の使い分けや浴室・キッチンの節水との組み合わせ、節水トイレへの買い替えによって工夫しながら節約をすることができます。
くまもと水道職人では、水道局指定店として水回りに関するさまざまなトラブルに対応しています。24時間365日受付・ご訪問を行っているので、今すぐ相談したい場合もお気軽にご連絡ください。
監修者
主任
平野 勝
《略歴》
2017年株式会社N-Visino入社後、弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを履行。
水回りの小さなトラブルから建物全体のメンテナンス、リフォームに至るまで、水に関わるあらゆるお悩みをお客様の目線に立ち、お客様とともに解決してまいりました。
年間約600件の現場へ実際に立ち会い、培った水のプロフェッショナルとしての経験を活かし、当コラムでは水にまつわる幅広い知識を届けたいと考えています。
熊本のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「くまもと水道職人(熊本水道職人)」
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